過食症を克服した一児の母の体験記

摂食障害(過食症)になり、悩み苦しみもがいた体験を綴っていきます。

過食になるまえ ただの豆

精神的にも一時期よりはだいぶ楽になっていきました。体重が減少していくことに快楽を感じていたので、痩せる=エネルギーになり、気分的にも晴れていきました。しかし、無理な食事制限をして身体の調子は悪かったはずです。でもなぜか平気だったんです。今ではこの状態を躁状態だったのではないかと思います。(躁とは鬱とは逆に気分が高揚しすぎること)この時腹筋100回背筋100回、筋トレも時間があればしていました。半身浴も夜中に3時間くらい平気でしていました。体重はみるみる減り36キロになりました。どんどん細くなる身体をずーっと眺めて、満足していましたね。親も急激に痩せていく私に心配はしていました。

そして、私は仕事を始めました。職種は言えませんが肉体労働です。この仕事を始めてから異変が起こります。肉体労働ですので、もちろんお腹が減ります。それでも私は食事制限を続けました。もっと痩せないと、と思い、人の何倍も多く動き汗を流しました。この状態を続けていき、程なくして私の体は爆発してしまいます。仕事から帰って、私の祖母が豆の甘煮を作っていました。いつもは砂糖を多く使ったものは食べないのですが、少し食べてみました。すると、その甘さに感動して恍惚した感情が芽生えました。「なんて甘くて美味しいの、、」と。豆の甘煮なんてチョコレートや生クリームよりは甘くはないです。しかし、当分甘いものを口にしていなかったので、舌が研ぎ澄まされていたのだと思います。すっごく甘くて美味しいスイーツにただの豆ですが、思えたのです。(なんていう豆かは分かりません(・・;))その豆を食べ、もう1個食べたい、もう一個、あと一つ、一つだけ、、と食べ進み、夢中になってタッパに詰められた豆をすべて食べきってしまいました。なくなってしまった豆に呆然。後は食べてしまったことへの後悔が波のように押し寄せてきます。